1984年のスポーツ基本法の制定
神戸大学 発達科学部 助教授
齋藤 健司
1984年にフランスではスポーツ基本法が制定された。スポーツ保険に関する規定も、この法律に原則が定められることになった。
まず、スポーツ基本法第37条は、スポーツ団体がその指導管理者および会員の民事責任を保証する保険契約を申し込む義務を定めた。つまりスポーツ事故の民事責任については、1962年以来の強制的なスポーツ責任保険制度がスポーツ基本法の規定としても維持されたのである。
次に、スポーツ基本法第38条は、スポーツ団体の会員が身体的損害を被った場合に身体的に完全な状態にまで損害を補うことができる傷害保険を申し込むことの利益をスポーツ団体が会員に情報提供する義務、さらに実際にそのような要件を満たしているスポーツ傷害保険をスポーツ団体が会員に用意する義務を定めた。スポーツ傷害保険については、加入が強制されなくなった代わりに、アルディ事件判決でも示されたように保険の情報を会員に提供する義務が定められたのである。
参考文献
(1) 齋藤健司、フランススポーツ基本法におけるスポーツ保険制度の形成、スポーツ産業学研究Vol.8, No.2, 1998, pp. 29-38.
(2) J.-C. Breillat, F. Lagarde, J.-P. Karaquillo, Code du sport, Dalloz, 2001.
(3) Cour d'appel de Versaille (1er CH.), 29 juin 1984, Jean-Pierre Lotz c. Federation
francaise des sports de glace (F.F.S.G.), Gazette du palais, 4 avril 1985, p.224.
(4) 齋藤健司、フランスにおけるスポーツ保険に関するスポーツ団体の法的義務について、日本スポーツ産業学会スポーツ法学専門分科会年報第2号、1997,
pp. 24-35.
<次回に続く>
次回は「スポーツ保険の情報提供義務に関する訴訟」について
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