スタート台を使った水泳飛び込みは
禁止されていたのに、なぜ強行
コラムニスト 平光 正則
《その例2》(前回からの続き)
2年前の平成11年(1999年)6月28日午前、青梅市の都立高校で水泳の授業中に、男子生徒(当時15、1年生)は、25mのプールで、水面から高さ49cmのスタート台から両手先を伸ばして体ごと斜めに入る逆飛び込み≠、担当教員の手本通りに行ったところ、5mライン手前の水深約1.2mに満たない底に頭を強く打ち、首の骨を打ったという。生徒は11日後の7月9日、入院先で腹膜炎を起こして死亡した。
そこで、両親側は、「息子(生徒)は身長、179cm、体重92kgと、通常より大柄だった」としたうえで、「水深は満水時より61cmも低く、スタート台の高さから計算した日本体育施設協会のプール規格のガイドラインより深さが33cmも不足していた」と指摘し、さらに、担当教員の責任について「逆飛び込みの危険性を事前に説明しなかったし、安全な飛び込み方法を指導する義務を怠った」などと主張して、この9月28日、東京都を相手取り、約1億円の損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所八王子支部に起こした。
なお、東京都教育庁は、同じような事故が全国的に起きていることから、本年から全都立高校で、スタート台を使った飛び込みは禁止していたという。
ここでも同じような事が言えるが、東京都教育委員会がプールのスタート台を使用した飛び込みを禁止していたにもかかわらず、教員はあえてこの禁止通達を無視して、スタート台を使って水泳飛び込み授業をなぜ強行したのか疑問が残る。さらに、この両親は構造的に飛び込みに不適である上、プールを満水にしていなかったと主張しているが、これが事実ならば教員としての資質が問われよう。
また、学校施設管理面においても、このことを許し、放置し、安全性確認の手抜きをしていた管理責任の追求から逃れることは出来ないであろう。
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