はじめの一躍
〜井の中の蛙、異の中の蛙へ〜
三段跳び日本歴代3位タイ記録保持者
井原 福代
Episode 10 【量より質】
ウイリー氏のトレーニングは量より質の内容である。トレーニングするのは週に4日間だけで、他の2日はジョギング程度、1日は完全休養。4週間に1度は1週間程度の休養がある。この間は、完全に三段跳びと関係を持たない球技や水泳などを行う。1週間のうち6日間トレーニングしても、週4日間のトレーニングよりトレーニングの質は落ちてしまうからだ。きちんと休養を取りながらトレーニングすることによって、4日間すべて質の高いトレーニングができるというのが狙いだ。実際に、私が日本でトレーニングしていた頃は1週間に5日から6日はトレーニングしていた。故障をすることも多かったし、途中で質を落とさないと続けられなかった。しかし、ウイリー氏のトレーニングプログラムでトレーニングを再開してからは、1日1日を全力で集中して行えるようになった。トレーニングの日数は少ないが、確実に以前よりも進歩している。もうひとつ変わったことは、ウォーミングアップにしっかり時間をかけるということだ。その中でも、ストレッチにはしっかりと時間をかける。故障防止のためだ。数分のストレッチを怠ったために故障をするということもあると思う。ストレッチに十分時間をかけた後、補強運動を行い、その後やっと動きのドリルを始めることができる。補強運動等によって少しずつ体のバランスを整え、メンテナンスしていく。私はまず、体全体を強くするプログラムから始めた。長めの距離を走り持久力をつけて、以前は見過ごしていた体の細かい部分まで丁寧に鍛えた。そのプログラムが終わる頃には、歩く時の姿勢も変わっていた。もちろん走る時や跳ぶ時の姿勢や体のバランスも改善された。そして、スピードストレングス・スピードトレーニング・技術トレーニングと計画的にトレーニングを進めていく。1日1日、動きの中でどこを意識して行うか集中をしてトレーニングをする。毎日出来ていることの確認を繰り返すのではなく、進歩をしていくことがトレーニングだと再確認した。
トレーニングはもちろんだが、食事面も以前と比べるとかなり変更することになった。スポーツ選手にとって食事はトレーニングと同じくらい重要だと思う。特に、女子選手の場合ウエイト調整も関係してくる。私も、ウエイト調整においては多くの失敗をしてきた。サプリメントで調整することも多かった。しかし、ウイリー氏からはできるだけサプリメントを使わないように指導された。現在は1日5回、2時間から3時間おきに少しずつ食事をするようにしている。もちろん、学校に行く時や外出する時には軽めの間食を持ち歩くようにしている。そうすると、適度に空腹感が抑えられ昼食時や夕食時の食べすぎを防ぐことができると考えている。食事方法を変えてからは、食事がエネルギーに変わるスピードが速くなり、体が以前より温かくなったような感じがする。これは、あくまでも私の感想だが興味のある人は試してみると面白いと思う。
技術面・パワー・スピード・身体面においても、まだまだだが少しずつ故障をしないように改善していきたい。
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