スポーツに生かされて4/4

第00019号
2003年2月7日 更新

『スポーツに生かされて』4/4

東日本実業団陸上競技連盟事務局長

 

 

 

 


昭和53年
シドニーマラソン
日本代表監督として


幸い選手のたゆまぬ努力と職場の多くの人達に支えられ、全日本実業団駅伝には最多連続出場を果たし、世界陸上選手権では、マラソンの日本代表選手を送る事も出来るようになりました。
世界のレベルは停滞する事なく常に上昇しています。高レベル化する世界に伍して行くには相当な気概と、適切な環境の中でのトレーニングは絶対に欠かせない条件です。昨今の実業団選手の多くは、企業に所属する選手でありながら競技に専念する事が仕事となり、一年の大部分を合宿や遠征で費やし、社員でありながらもほとんど会社に出向く事もなく、同僚社員との一体感や所属企業への帰属意識も薄れつつあるような気がします。
大会の模様がテレビ放映され、それを見て初めてあれは我が社の選手なんだなぁ、では淋しい感がします。広告塔に過ぎない、と言われる事を耳にすることもありますが非常に残念に思います。
厳しい経済状況の続く今日、リストラや合理化を図る企業の中において、選手諸君も現状を厳しく受けとめ、日々練習に取り組める環境を与えてもらえる事に感謝し、会社や同僚の期待に添うべき、最善の努力をして実績を持って恩返しをしようではありませんか。
これからの実業団スポーツは大きく変わっていくと思います。時代に乗り遅れぬよう改革していかなくてはならない時期にきています。どう変えていくか関わる者全員が知恵を出しあう時です。
実業団は産業人を対象にした組織です。発足当時に比べ産業構造が変わり雇用形態が大きく変化しました。アルバイト・フリーター・パートが増え、終身雇用の時代が終わろうとしています。企業スポーツとして会社に支えられ発展してきた日本の競技スポーツの変貌していく姿が、少しずつ見えて来たような気がします。
今後も企業に支えられ競技をする者もあると思いますが、契約社員として競技をする者、プロとして独立する者、クラブチームに身を置き競技をする者、まさに様々な形態の中でスポーツをする時代になってきました。
今後こうした選手達をどう結集し、どのような形で実業団組織に取り込むか、岐路にさしかかっています。日本の競技スポーツは企業スポーツに支えられ成り立ってきました。
企業の支援なくして今日までの発展はありえなかった訳です。それが今時代の変化と共に変わろうとしています。


昭和31年
全国実業団駅伝

これから、企業スポーツに変わるどのような形態の組織が生まれてくるのであろうか。
例えばクラブ組織が欧米のように発展していくのだろうか。そうした場合の指導体制、財源、アスリートをどう集めるのか、主たるトレーニングの場所、用具機材、等々課題はとてつもなく多岐にわたり一朝一夕には進まないのではないだろうか。
そうした中で、これからの実業団組織の在り方と、他のスポーツ団体との関わりについて議論し新しいうねりを興すことが急務で、これが将来にわたって日本のスポーツ界を支えていく事に繋がるのではないかと考えます。
実業団スポーツに関わり携わる者、全ての人が積極的に考え行動すべき時代が到来したと思います。

 


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