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本件事故の責任について、原告はプールには安全性において、構造上の欠陥があったと主張したのに対して、裁判所は「本件プールに物的設備の面で営造物として通常備えるべき安全性に欠けるものがあるとの事実を認めるに足りる証拠はない」と、その主張を斥けたが、人的施設および管理体制に安全管理上欠陥があったと判決した。
1.入場に際しての確認と対応
(受講しない幼児の入場を許可した責任)
水泳教室の受講者である母親が、プール受付で受講者証を提示する段階において、定められたとおりの受講者の幼児1名だけを同行して参加しているか否かの確認を徹底し、もしそれ以外の幼児等をも同伴していた場合には、入場を拒否するか、入場を認めても教室への参加を拒否して見学を勧めるか、あるいは同伴した複数の幼児等への監視を怠らないよう母親に十分注意を与えたうえで一般の利用者として入場を認めるか、いずれにしても、漫然と教室への参加を認めることによって、母親から受講者以外の幼児に対してなされるべき監視の機会を奪ってしまう結果となるような措置をとることは厳に慎むべきである。
2.入場後の監視体制
また、入場後においても、水泳教室を始める前に講師に自ら出席者の点呼をとらせるなどして、受講者以外の幼児を同伴していないかどうかを確認させ、同伴していた場合には教室への参加を拒否するなど前述と同様の対応をとるべきである。さらに監視にあたっている嘱託指導員には、プール槽の遊泳者のみならず、プールサイドの隅々にわたるまで監視の目を向けさせ、特に幼児等が一般用コースに近づくことのないよう注意を厳にさせることはもちろん、少なくとも本件のように幼児を対象とする水泳教室が実施されている場合には、他の嘱託員に応援を命ずるなどして監視体制の強化を図り、もって事故の発生を未然に防止すべきであったのに、市においてその監視体制が十分でなかったことは事実から明らかであるから、本件プールは営造物としての人的施設および管理体制において、その設置・管理に瑕疵があったというべきである。
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