県立養護学校高等部2年生Aが体育の授業で水泳訓練を受けているうちに水を吸引して意識不明となり、救急車で搬送された病院で死亡した。
死亡生徒の両親Xらは、事故は担当教員Y1が故意に騒ぐAの頭を水没させたとして、Y1に対しては不法行為責任により、学校設置者であるY2県に対しては安全配慮義務違反ならびに国家賠償法第1条により損害賠償を請求した。
裁判所は、Y1の故意は否定したが過失を認定した。しかし、賠償責任については国家賠償法により県が損害賠償責任を負う場合、公務員が個人として賠償責任を負わされることはないとして、請求を棄却した。県に対してはY1の過失により国家賠償法第1条を適用して損害賠償の支払いを命じた。
損害賠償の算定について第一審横浜地裁は、Aの逸失利益についてはAの卒業後の進路として地域作業に進む可能性が高かったとして、その年間工賃7万余円を前提に120万余円を算出し、A本人の慰謝料を1,500万円、Xらの慰謝料を各500万円と認定し、総額2,860万円(葬祭費100万円・弁護士料260万円を含む)を認容した。
原告Xはこの判決を不服として控訴したのに対して、東京高裁は慰謝料などを含めて4,840万円の支払いを命ずる判決をした。
(第一審 横浜地裁 平成4年3月5日判決)
(第二審 東京高裁 平成6年11月29日判決)
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