高校生登山中落石死亡事故3/3

第00089号
2004年7月16日 更新

高校生登山中落石死亡事故3/3

(神戸地裁 平成4年3月23日判決、棄却、控訴、判例時報1444号、114頁)

東京女子体育大学助教授

入澤  充

 

4.判決から学ぶ校外活動の注意事項

学校外で行う教育活動は生徒の自主性、自律性を養う上でたいへん良い機会である。本件のように有名な進学校で20年間も登山行事が続いているのは生徒の自主性を重んじた活動が定着しているからである。
本件学校ではコースの選択を生徒の自主的選択に任せており、本件事故もそのような中で学校が指定した以外のコースで起こったものである。被害生徒が属した班には運動部のキャプテンらも入っており、危険についての判断力は備わっていたといえよう。かつ被害生徒自身中学時代からワンダーフォーゲル部に所属し春・冬山登山も経験し、事故にあった六甲山系でキャンプを10回以上経験していた。
しかし、事故は起きたのである。本件のように登山経験の豊富な生徒でも思いがけず事故に遭遇するのであるから、登山に絶対安全ということはないというべきであろう。ゆえに学校側、指導教師も生徒の安全には十分配慮すべきである。裁判所は、本件事故についても在学契約関係からも学校側の安全配慮義務を認定している。
また、裁判所は本件事故について指定外コースであるから事前調査は必要なかったというが、やはり校外活動においては指定外コースを選択するような生徒がいたら教師がついていくとか、禁止したりすることが今後は求められるであろう。
校外における教育活動行事に関して事前踏査等を行い危険箇所に対する注意は十分払う必要がある。


スポーツネット・ジャパン お問合わせ リンク集 よくある質問と答
c2002,SPORTSNET-JAPAN.COM. All Rights Reserved.