ウインドサーフィンで疾走中に波待ちのサーファーと衝突した事故における責任1/3
「海における衝突事故」
(大阪地裁、平成9年6月13日判決 損害賠償請求事件、判例タイムズ959号193頁)
弁護士 望月 浩一郎
Yはウインドサーフィンで疾走中、サーフボードの上に座り波待ちをしていたXに衝突し、負傷させた。
判決は、Yの前方注視義務違反を肯定したが、Xにもウインドサーフィンの接近に十分な注意を払わなかったために、衝突を回避できなかった過失を認め、15%の過失相殺を認定した。
1.事故はどのようにして起こったか
Xは、福岡市東区三苫海岸先の岸から約50mの海上で、サーフボードに座り、沖の方向を向いて波待ちをしていた。当日は北東の風12〜15mであり、波は腰から胸のあたりの高さであった。付近には多数のサーファーがいた。
本件事故付近の海上は、サーフィンとウインドサーフィンとの遊技区域が明確に区別をされていないため、かねてからサーファーとウインドサーファーとの間で紛争が生じることがあった。
Yは、4.6mの高さのマストを備えたウインドサーフィンに乗り、沖から岸に帰ろうとしていた。Yは、現認していたサーファーを回避する進路をとって岸に帰ろうとしたが、前方の波間に新たなサーファーがいることに気付いた。Yは新たに発見したサーファーを避けようとして、急遽風下方向へ進路を変更したところ、沖の方を向いて波待ちをしていたXと衝突した。ウインドサーフィンのボード先端がXの左頬にあたり、Xは左側上顎骨折などの傷害を負った。
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