生涯スポーツ

第00032号
2003年10月29日 更新

スポーツ用語ワンポイント講座
生涯スポーツ

入澤 充  東京女子体育大学助教授

ヨーロッパには1975年3月にヨーロッパスポーツ担当大臣会議で採択されたスポーツ・フォア・オール、「みんなのスポーツ憲章」というのがあります。スポーツ憲章はその中で「すべて個人は、スポーツを行う権利をもつ」とうたっています。また1978年には第20回ユネスコ総会で「体育・スポーツに関する国際憲章」が採択されました。その第1条でも「体育・スポーツの実践は、すべての人にとっての基本的権利である」としています。さらに、1992年にはヨーロッパ・スポーツ閣僚会議が「新ヨーロッパ・スポーツ憲章」を採択し、第1条で、個人はだれもがスポーツに参加できる、とうたいます。第2条では、スポーツとは、気軽にあるいは組織的に参加することにより、体力の向上、精神的充足感の表出、社会的関係の形成、あらゆるレベルでの競技成績の追求を目的とする身体活動の総体を意味する、としています。ヨーロッパではスポーツが個人の権利であるという認識が浸透されているのですが日本ではまだスポーツを権利であると明確に規定した法律はありません。

しかし、いまや日本においてもスポーツは個人の基本的権利であるという認識は広まりつつあります。これを新しい人権と呼べると思いますが、この根底には生涯スポーツという概念があります。つまり、誰もが、いつでも、どこでもスポーツに参加することができるということです。そのために国は地方公共団体が進めるスポーツ施設建設にかかる経費の一部を補助することができることになっています(スポーツ振興法第20条)。
東京の国立競技場や自治体の社会体育施設等は公開され市民が低額な費用で利用することができます。また民間スポーツクラブの利用者は女性・高齢者を中心に年々盛んになっています。民間施設に入会する際はスポーツを安全で楽しく行うことを自覚し、あくまでも自己責任の上で「契約」という意識をもって利用することが重要です。



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