文部大臣の
「スポーツ振興基本計画」を
どう活かすのか
〜スポーツ振興基本計画の
今後の取組みについて7/7〜
東京女子体育大学教授
笠原 一也
国際競技力の向上について
国際競技力の向上についての政策目標として、1996年(平成8年)のオリンピック競技大会での我が国のメダル獲得率が1.7%まで低下していることを踏まえ、我が国のトップレベルの競技者の育成・強化のための諸施策を総合的・計画的に推進し、早期にメダル獲得率が倍増し、3.5%となることを目指すことを掲げている。
この政策目標達成のため、「一貫指導システムの構築」を重点的に推進し、競技者の組織的・計画的な育成に取り組むこととしている。
『一貫指導システム』とは、スポーツに初めて出会うジュニア期からトップレベルに至るまで一貫した理念に基づき最適の指導を行い、競技者の有する資質・能力を最大限に引き出すシステムであり、我が国では長年にわたり、早期の取組みが指摘されていながらも実現できなかったことである。
現在、実施されている「一貫指導システム構築のためのモデル事業」の成果を踏まえ、早急な取組みが必要である。
また、メダル獲得倍増計画を具体化するためには「ナショナルレベルのトレーニング拠点の早期整備」も必要としている。
この『ナショナルレベルのトレーニング拠点』とは、ナショナルトレーニングセンターのことを示しており、トップレベルの競技者の強化には、競技者が同一の活動拠点で集中的・継続的にトレーニングを行う環境を整える必要性があり、オリンピックで活躍する国々では、こうした活動の拠点となるナショナルトレーニングセンターを有している。我が国においても早急な整備が必要であるが、当面は平成13年に活動を開始する「国立スポーツ科学センター」の活用を中心に取り組むことになろう。
上記の他に主要な課題として、「学校体育・スポーツの充実と生涯スポーツ・競技スポーツとの連携について」があるが紙面の関係から省略することとした。
「スポーツ振興基本計画」のもとに今後、スポーツの一層の振興を図り、21世紀における明るく豊かで活力ある社会の実現を目指すには、多額の財源が必要であり、平成14年度から発売されているスポーツ振興くじ(toto)の収益が期待されるとともに、体育・スポーツ関係者がこの基本計画を十分に理解し、国、地方公共団体、民間団体、地域住民、競技者が一体となってスポーツ振興に取り組むことが何よりも重要なことであることを申し上げてまとめとしたい。
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