文部大臣の「スポーツ振興基本計画」をどう活かすのか
〜21世紀の豊かなスポーツ環境を目指して(1)〜
笠原 一也
東京女子体育大学教授
20世紀最後のオリンピックといわれている第27回夏季オリンピック、シドニー大会は、史上最大規模の28競技、300種目にわたっての熱戦が展開され、日本選手団は、金メダル5、銀メダル8、銅メダル5を獲得した。
「金」の数では1984年のロサンゼルス大会以来の健闘を見せたと評価しているマスコミもあったが、今回の成果は、女子選手たちの大活躍により、前回のアトランタオリンピック大会を上回る成果を挙げたとはいえ、全体としては、まだまだわが国の国際競技水準は低迷状態にあるといえるのではないだろうか。
しかし、今回のシドニーオリンピックに対する我が国の反応は、1998年の地元開催であった長野オリンピックにも負けないくらいの盛り上がりを見せ、日本国民のオリンピック好きを改めて実証したと言える。
このように、わが国におけるスポーツへの関心の高まってきている時、そのシドニーオリンピック開幕目前にした平成12年9月13日に、文部省から、平成12年8月9日の保健体育審議会「スポーツ振興基本計画の在り方について」の答申を受け、スポーツ振興法制定以来40年ぶりというか、初めてスポーツ振興法に基づく「スポーツ振興基本計画」が告示された。
この基本計画に盛り込まれている内容は、今後のスポーツ行政の主要な課題となるものであり、我が国のスポーツ行政施策は、このスポーツ振興基本計画に基づき推進されることになるわけで、体育・スポーツに関係する人々は、その内容について十分に理解を深めることが重要であると思われる。ここにその概要を紹介し、お互いに認識を深めたいと考える。
具体的内容について、3点に絞り、スポーツ振興基本計画が策定されるまでの経緯、スポーツ振興基本計画の概要、今後の取り組み等について取り上げることとしたい。
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